オペラハウスの競馬広告で物議、「ギャンブル大国」の影映す 豪州

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 オーストラリアを代表する名所として知られ、ユネスコの世界遺産にも登録されたシドニーのオペラハウス。その側面に競馬の広告を投影する計画を巡り、全土で論争が巻き起こっている。反対派は、競馬の広告はオペラハウスの品位をおとしめるものだと批判する。その背景には、ギャンブル業界の絶大な影響力に対する疑念の深まりや、依存症に苦しむ人が後を絶たない現実が重なっている。オーストラリアは世界有数のギャンブル大国。2016年の損失額は1人当たりの平均で990ドル(米ドル換算、約11万円)と、先進国の中で最も多い。これと比較して次点のシンガポールは650ドルにとどまる。今年で2回目となる競馬の「エベレスト杯」は、賞金総額がオーストラリアの芝レースの中で最も多額の1300万オーストラリア・ドル(約10億円)に上る。ニューサウスウェールズ(NSW)州の競馬業界団体は、今回の広告はギャンブルとは無関係だとする声明を発表し、競馬は「植民地時代から折り込まれたオーストラリアの一部」だと主張した。オペラハウスは当初、競馬の広告掲載を認めない方針だったが、地元メディアが5日、この方針に疑問を投げかける記事を掲載。ラジオ局では司会者がオペラハウス・トラストの最高責任者を罵倒した。ニューサウスウェールズ州首相は5日、オペラハウスに対してエベレスト杯の広告掲載を認めるよう命じ、13日のエベレスト杯開催を控えて9日夜に広告が映し出されることになった。これに対してインターネットでは、広告掲載を拒んだ当初のオペラハウスの決定を支持する運動が展開され、9日午後までに27万を超す署名が集まっている。大手紙シドニー・モーニング・ヘラルドは論説の中で、オペラハウスに競馬の広告が掲載されれば「類のないイメージが汚される」と批判した。